マニアックデータ集

高校野球にまつわるマニアックなデータを掲載する。

夏の甲子園49番くじデータ集

49番くじ一覧

年(夏)49番くじ初戦(2回戦)2戦目(3回戦)備考
1976年 鉾田一(茨城) ●4-7市立神港 41校出場・41番くじ
1977年 川口工(埼玉) ●0-12智弁学園
1978年 日大二(西東京) ●0-1x東筑(延長13回) 延長13回
1979年 富士 ●3-4x高知(延長15回) 延長15回
1980年 江戸川学園取手 ●0-9横浜
1981年 東海大甲府 ●3-4新発田農
1982年 星稜(石川) ●1-10早稲田実
1983年 駒大岩見沢 ●3-5箕島
1984年 広尾(北北海道) ●0-6明徳義塾
1985年 国学院栃木 ●3-4関東一
1986年 拓大紅陵(千葉) ◯4-0岩国商 ●0-1東洋大姫路 49番くじ初勝利
1987年 上田(長野) ●2-5習志野
1988年 米子商 ◯4-0鹿児島商 ●2-3x福岡第一
1989年 神戸弘陵 ◯6-2佐賀商 1-3尽誠学園 2年連続初戦勝利
1990年 渋谷(大阪) ●4-8宇部商(10回)
1991年 坂出商(香川) ●0-13帝京
1992年 明徳義塾(高知) ◯3-2星稜 ●0-8広島工 松井五敬遠事件
1993年 城北(熊本) ●2-5智弁和歌山
1994年 宿毛(高知) ●1-4長崎北陽台
1995年 宮島工(広島) ●0-11関西
1996年 八頭(鳥取) 0-11福井商
1997年 倉敷商(岡山) ●2-6敦賀気比
1998年 金足農(秋田) 2-7明徳義塾 55校出場・55番くじ
1999年 東福岡 ●3-9青森山田
2000年 小松工(石川) 6-11育英
2001年 秀岳館(熊本) ◯3-0常総学院 0-5横浜
2002年 光泉(滋賀) 0-5帝京
2003年 樟南(鹿児島) ●2-3桐生第一
2004年 福井 ●3-9天理
2005年 丸亀城西(香川) ●0-6鳴門工
2006年 鹿児島工 ◯3-2高知商 ◯9-3香川西 49番くじ初のベスト8
2007年 宇治山田商(三重) △4-4佐賀北(15回)
●1-9佐賀北
引き分け再試合
2008年 盛岡大付 ●3-8駒大岩見沢 55校出場・55番くじ
2009年 樟南 ●1-3九州国際大付 2度目の49番くじ
2010年 山形中央 ●0-7九州学院
2011年 横浜 ◯6x-5健大高崎(10回) ●4-9智弁学園 49番くじ初のサヨナラ
2012年 秋田商 ◯8-3福井工大福井 ●1-5倉敷商 49番くじ最多得点
2013年 常葉菊川(静岡) ◯5-3有田工 ●1-17鳴門 3年連続初戦勝利
2014年 関西(岡山) ●1-3富山商
2015年 作新学院(栃木) ◯10-6上田西 ●0-2九州国際大付
2016年 創志学園(岡山) ●8-11盛岡大付
2017年 青森山田 ◯6-2彦根東 1-9東海大菅生 平成最後の49番くじ
2018年 出場校数偶数(56校)により49番くじなし
2019年 智弁学園(奈良) ●8-10八戸学院光星
2020年 中止
2021年 浦和学院 ●3-4日大山形
2022年 智弁和歌山 ●3-5国学院栃木
2023年 九州国際大付 0-3土浦日大
緑地は春夏通じて初出場 薄緑地は夏初出場 
太字はその年のみの出場
金地は優勝校 水色地は準優勝、
赤字はベスト4

49番くじの記録

49番くじと49番くじの対戦相手を両方経験した学校
校名49番くじ49番くじの
初戦対戦相手
49番くじの
3回戦対戦相手
備考
星稜1982年1992年直接対決
松井五敬遠事件
明徳義塾1992年1984年
駒大岩見沢1983年2008年
横浜2011年1980年2001年
関西2014年1995年
盛岡大付2008年2016年
倉敷商1997年2012年
青森山田2017年1999年
智弁学園2019年1977年2011年
国学院栃木1985年2022年直接対決
智弁和歌山2022年1993年
九州国際大付2023年2009年2015年
赤地は試合に勝利

決勝戦勝率ランキング

決勝戦に3回以上進出した経験がある42校を対象に、決勝戦の勝率ランキングです。勝率が並んだ場合は決勝戦での勝利数、つまり優勝回数が多い方を上位とする。次いで負けた試合に引き分けがある場合は引き分けがある方、次いで負けた試合に延長戦がある方を上位とする。

42位(ワースト1位):八戸学院光星 0勝3敗 勝率.000

今回の対象42校の中で最下位となってしまったのは八戸学院光星。春夏合わせて3回決勝に進出するもすべて準優勝に終わり、決勝戦の勝率は0割。
旧光星学院として2011年夏から2012年夏まで3季連続で決勝に進出したが、2011年夏は日大三、2012年春と2012年夏は春夏連覇した大阪桐蔭に敗れて3季連続の準優勝に終わった。甲子園3季連続準優勝は史上唯一。仙台育英とともに白河の関越えに何度もあと一歩まで迫った学校である。
また青森県勢としては1969年夏準優勝の三沢も合わせ、決勝戦は0勝4敗。こちらも全国最下位の県となってしまっている。3季連続準優勝の八戸学院光星がワースト1位でした。

41位(ワースト2位):熊本工 0勝3敗 勝率.000

ワースト2位の41位は熊本工。夏の甲子園で3回決勝に進出するもすべて準優勝に終わり、八戸学院光星と並んで勝率0割。しかし1996年夏の決勝戦が延長戦となったため、順位で八戸学院光星を上回った。 1934年夏、1937年夏、1996年夏に3回決勝進出したが、いずれも準優勝。1937年夏は川上哲治を擁して準優勝。決勝で中京商に敗れたあと、甲子園の土をポケットに入れて持ち帰ったことで、甲子園の土を持ち帰るという伝統が始まった。
59年ぶりに決勝に進出した1996年夏、松山商に1点を追いかける9回2アウトランナーなしから同点ホームランで追いつき延長戦へ。延長10回1アウト満塁から犠牲フライ確実の飛球。奇跡の大逆転で悲願の初優勝かと思われたが、松山商のライト矢野の「奇跡のバックホーム」に阻まれ、延長11回に決勝の3点を勝ち越され3度目の準優勝に終わった。
過去3回決勝に進出するも優勝がない熊本工がワースト2位でした。

40位(ワースト3位):仙台育英 1勝4敗 勝率.200

決勝進出が4回以上の学校の中では最下位の40位となってしまったのは仙台育英。平成の初めから東北勢初優勝、優勝旗の白河の関越えに最も近い学校として知られてきた学校だ。
初めて決勝に進出したのは平成最初の夏の甲子園となった1989年夏。これは宮城県勢初の決勝進出でもあった(東北勢としては4回目)。大越基投手を擁して、この年上宮とともに優勝候補のトップ2に挙げられていた仙台育英は準々決勝で優勝候補筆頭の上宮に10-2で快勝。準決勝で尽誠学園に延長戦の末3-2で競り勝ち、初の決勝進出を果たした。しかし決勝で帝京に延長10回の末0-2で力尽きた。
2度目の決勝進出は2001年春、21世紀最初の甲子園だった。決勝は木内幸男監督率いる常総学院と対戦。4-7とリードされた9回裏に2点を返すも1点及ばず、6-7で惜敗した。
3度目の決勝進出は2015年夏、高校野球開始100周年の大会。時代の節目の大会で3度目の決勝進出。東海大相模との優勝候補同士の決勝戦。序盤に東海大相模に4点をリードされるが3回に仙台育英が1点差に追い上げ、3点差に広げられた6回に同点に追いつくという譲らない接戦。9回表、東海大相模の小笠原の勝ち越しホームランを皮切りに決勝の4点を勝ち越され、またしても準優勝。仙台育英としては3度目、東北勢としては春夏通算11度目の準優勝となった。
そしてついに東北の悲願を達成するときがきた。2022年夏、今度は野球伝来150周年の年に4度目の決勝進出。相手は準々決勝で優勝候補筆頭の大阪桐蔭に逆転勝ちした下関国際。4回に先制して4度目の決勝戦で初めてリードを奪うと、7回に岩崎の満塁ホームランで試合を決めた。8-1で下関国際に快勝し、仙台育英としては4回目、宮城県勢としては5回目、東北勢としては13回目の決勝戦でついに悲願の東北勢初優勝を果たした。
翌2023年夏、史上7校目の選手権連覇をかけて2年連続5回目の決勝進出。107年ぶりの優勝を目指す慶応義塾と対戦。初回に決勝戦史上初の先頭打者ホームランで慶応義塾に先制され、その後も慶応の応援に圧倒されて本来の実力を出せず、2-8で慶応義塾に敗れ連覇はならなかった。
決勝戦での戦績は1勝4敗。4敗はすべて関東勢に敗れているというのも嫌なデータだ。仙台育英がワースト3位の40位でした。

38位タイ:松商学園 高知商 1勝3敗 勝率.250

38位は松商学園と高知商。
松商学園は旧松本商として大正時代の1924年夏に初めて決勝に進出し、準優勝。初優勝は1928年夏。決勝で平安中を3-1で破って初優勝。これは北信越勢初優勝であり、現時点で史上唯一の北信越勢の夏の甲子園優勝である。春夏通算でも3回しかない北信越の優勝のうちの1つだ。
最後の決勝進出は1991年春。63年ぶり、春は65年ぶりの決勝進出で、相手はなんと65年前の1936年春の決勝と同じ広陵という因縁の対戦。7回までに3点をリードするも7回裏に追いつかれ、5-6のサヨナラ負けで65年越しのリベンジはならなかった。
高知商は1950年春、1957年春、1978年夏に決勝に進出するもずべて準優勝。1957年春は決勝で王貞治を擁する早稲田実に3-5で敗れた。1978年夏はともに3度目の決勝進出で初優勝を目指すPL学園と対戦。2-0とリードして迎えた9回裏、準決勝でも逆転勝ちしたPL学園にまさかの逆転サヨナラ負け。手中にしていた初優勝がスルリと逃げていった。
1980年春、4回目の決勝進出で帝京を1-0で破り、悲願の初優勝を果たした。
北信越勢唯一の夏の甲子園優勝校松商学園と、4回目の決勝戦で初優勝を果たした高知商が38位でした。

37位:広陵 3勝7敗 勝率.300

37位は広陵。広陵の優勝3回はすべて春の選抜で、夏の選手権はまだ1度も優勝したことがなく、夏の甲子園の決勝の戦績は0勝4敗でワーストとなってしまっている。
広陵の夏の甲子園の決勝戦で特に印象的なのは2007年夏。旋風を起こして決勝まで進出した佐賀北に8回まで4-0とリードしながら、8回裏に押し出し四球のあと副島の逆転満塁ホームランを打たれ、4-5でまさかの逆転負け。悲願の夏の甲子園初優勝が目前でスルリと逃げていった。最近では2017年夏にも1大会のホームラン数新記録を打ち立てた中村奨成を擁して決勝に進出するも、またしても準優勝に終わった。

30位タイ:銚子商 静岡 静岡商 履正社 下関商 鳴門 済美 1勝2敗 勝率.333

7校が1勝2敗で30位タイ。下関商は1963年、済美は2004年に春夏連続で決勝進出。春は優勝、夏は準優勝で春夏連覇にあと一歩届かなかった。

29位:早稲田実 2勝3敗1分 勝率.400

29位は早稲田実。早稲田実の優勝は春夏1回ずつ。1957年春と2006年夏。1957年春は王貞治、2006年夏は斎藤佑樹が優勝に導いた。
2006年夏は決勝で73年ぶり・戦後初の夏3連覇を狙う駒大苫小牧と対戦。斎藤佑樹と田中将大の投げ合いで延長15回でも決着つかず、37年ぶりの決勝戦引き分け再試合となった。早稲田実は王者駒大苫小牧との再試合を4-3で制し、見事夏の甲子園初優勝を果たした。
決勝戦の成績に「1分」が記録されている学校は珍しいだろう。球史に残る決勝戦を制した早稲田実が29位でした。

28位:県岐阜商 4勝6敗 勝率.400

28位は岐阜県勢で唯一優勝経験がある県岐阜商。優勝はすべて戦前で、決勝進出も1959年春が最後。
勝率では早稲田実と並んだが、優勝回数で上回った県岐阜商が28位でした。

27位:桐蔭 3勝4敗 勝率.429

27位は和歌山の桐蔭。最近は甲子園から遠ざかっているが、かつては旧和歌山中時代に1915年の第1回から1928年まで高校野球史上最多の14年連続出場。1921年と1922年は史上初の選手権連覇を達成した古豪である。1923年は決勝で甲陽中に敗れ3連覇はならなかった。3度の優勝、7度の決勝進出はすべて戦前である。

26位:常総学院 2勝2敗 勝率.500

26位は常総学院。甲子園初出場は1987年春、東海大浦安の傷害事件による出場辞退で、補欠からの繰り上げ出場が初の甲子園出場となった。同年の1987年夏に夏の甲子園初出場。するといきなり決勝戦まで進出し、春夏連覇したPL学園に敗れたが初出場で準優勝。ちなみに木内幸男監督にとっては取手二を率いた1984年夏に続いての決勝でのPL学園との対戦だった。
2001年春、21世紀最初の甲子園で決勝で仙台育英に7-6で競り勝ち初優勝。2003年夏は決勝でダルビッシュ有を擁する東北に4-2で逆転勝ちし2度目の優勝。2度の優勝はいずれも決勝の相手が宮城県勢で、白河の関越えを阻止しての優勝だった。
木内マジックの常総学院が26位でした。

25位:日大三 3勝3敗 勝率.500

23位タイ:龍谷大平安 智弁和歌山 4勝4敗 勝率.500

決勝進出が4回以上で、決勝戦の勝率が丁度5割なのは4校あった。勝率が同じ場合は優勝回数が多い方を上位とするルールにより、2勝2敗の常総学院が26位、3勝3敗の日大三が25位、4勝4敗の平安と智弁和歌山が23位タイとなった。

21位タイ:大体大浪商 高松商 4勝3敗 勝率.571

21位は大体大浪商と高松商。大体大浪商は浪華商で3回、浪商で1回の2つの旧校名で優勝している。
高松商は1924年春の第1回選抜大会で優勝したセンバツ初代王者だ。翌1925年は春は決勝で松山商に敗れて選抜連覇を逃すが、夏も決勝に進出し、前年春の決勝でも対戦した早稲田実を破り夏の甲子園初優勝。戦後は1960年春に優勝した。
その後20年ほど甲子園から遠ざかるが、2015年秋の明治神宮大会王者として乗り込んだ2016年春、久しぶりの甲子園出場で準優勝した。
ともに負けた試合のうち1試合が延長戦となり順位が並んだ。浪商と高松商が21位でした。

19位タイ:帝京 池田 3勝2敗 勝率.600

19位は帝京と池田。帝京は1989年夏、1992年春、1995年春に3度優勝。ちなみに2度の夏の甲子園優勝はいずれも同年選抜で初戦敗退だった。
池田は1974年春、部員11人で初出場で準優勝し「さわやかイレブン」と呼ばれた。1979年夏は決勝で春夏連覇の箕島に中盤までリードするも8回裏に2点を取られ3-4で逆転負け。
1982年夏、「やまびこ打線」と言われた強力打線で決勝で広島商を12-2で破り初優勝。続く1983年春も優勝し、史上4校目の夏春連覇を達成。1983年夏は準決勝で1年生の桑田真澄を擁するPL学園に敗れて史上初の夏春夏3連覇を逃したが、1986年夏に再び優勝。
やまびこ打線の池田と帝京が19位でした。

17位タイ:東海大相模 東邦 5勝3敗 勝率.625

17位タイは東海大相模と東邦。
東海大相模は1970年夏、決勝でPL学園を10-6で破って初優勝した。原辰徳を擁した1975年春は決勝で高知に敗れて準優勝。原は甲子園で優勝することはできなかった。
2000年代最初の甲子園となった2000年春、決勝で智弁和歌山を4-2で破って選抜初優勝。東日本大震災直後で開催が危ぶまれた2011年春の選抜では、決勝で九州国際大付を9-2で破り11年ぶりの優勝。
高校野球100周年の年となった2015年夏は9回に小笠原の勝ち越しホームランなどで仙台育英を10-6で破り、夏の甲子園45年ぶりの優勝。新型コロナウイルスで甲子園が中止となった翌年の2021年春は明豊に3-2でサヨナラ勝ちし優勝。2000年、東日本大震災、高校野球100年、新型コロナウイルスと、節目の年や災害が起きた年に東海大相模は優勝している。

東邦は春の選抜では5度の優勝があるが、夏の選手権は1度も優勝したことがなく、決勝進出も1977年夏の1回のみ。
平成最初の甲子園となった1989年春、決勝で上宮に9回2アウトから同点に追いつくと種田のエラーで3-2で逆転サヨナラ勝ち。平成最後の甲子園となった2019年春にも優勝し、平成最初と最後の甲子園王者となった。
災害やウイルスにより開催が危ぶまれた甲子園を2度制した東海大相模と、平成最初と最後の甲子園優勝校東邦が17位でした。

16位:松山商 7勝4敗1分 勝率.636

16位は全国で唯一大正、昭和、平成の3元号で優勝した松山商。
1925年(大正14年)春に初優勝。1932年は春優勝、夏も決勝に進出し、史上初の春夏連覇にあと一歩まで迫った。
1969年夏、三沢との決勝戦は延長戦で2度のサヨナラ負けのピンチをしのぎ、決勝戦史上初の延長18回引き分け再試合。これは甲子園では最後の延長18回引き分け再試合でもある。再試合を4-2で制して夏4度目の優勝。
1996年夏は決勝で熊本工との伝統校対決。3-2とリードして迎えた9回裏2アウトランナーなしから同点ホームランを打たれ、延長10回1アウト満塁からライトに犠牲フライ確実の大飛球を打たれて1度は優勝がスルリと逃げかけた。しかしライト矢野の「奇跡のバックホーム」でサヨナラ負けのピンチをしのぎ、延長11回決勝の3点を勝ち越して6-3で27年ぶりの優勝を果たした。
決勝戦で数々のミラクルを起こした松山商が16位でした。

15位:PL学園 7勝4敗 勝率.636

15位は高校野球史に残る1980年代の強豪、PL学園。松山商と勝率、優勝回数ともに全く同じだが、決勝戦で負けた試合が延長戦にもつれた回数がPL学園が2回に対して松山商が1回のため、PL学園がわずかに上回った。
初めて決勝に進出したのは1970年夏。このときは東海大相模に6-10で敗れた。2度目の決勝進出は1976年夏。初出場初優勝を目指す桜美林に中盤まで3-1とリードしながら7回裏に追いつかれ、延長11回サヨナラ負け。
3度目の決勝進出は1978年夏の第60回記念大会。準決勝では中京に0-4とリードされていた9回裏に4点差を追いつき、延長12回5-4のサヨナラ勝ちで決勝進出。決勝でも高知商に2点を先制され0-2で9回裏を迎える。3度目の決勝も優勝は潰えたかと思われたが、西田の同点タイムリーで追いつき、柳川のサヨナラヒット。3-2で逆転サヨナラ勝ちし初優勝を果たした。準決勝・決勝の2試合連続9回の逆転劇で「逆転のPL」と呼ばれるようになるのだった。
1981年春、1982年春は選抜連覇を達成。1983年夏は準決勝で前年夏、同年春の甲子園を夏春連覇し史上初の夏春夏3連覇を狙った池田と対戦。なんと1年生エースの桑田真澄が自身のホームランと快投で池田を7-0で撃破。これは高校野球史上最大の番狂わせの1つとされる。決勝で横浜商に3-0で完封勝ちし桑田真澄は1年生で夏の甲子園優勝投手になった。ここからエース桑田真澄と4番清原和博のKKコンビ伝説が始まった。
しかし連覇を狙った1984年は春は岩倉に0-1、夏は取手二に延長戦の末4-8で敗れ春夏ともに準優勝。最後の夏となった1985年夏、決勝で清原和博が大会新記録となる5本目のホームランを放つなど、4-3で宇部商にサヨナラ勝ち。夏3度目の優勝でKKコンビは有終の美を飾った。
1987年には史上4校目の春夏連覇を達成。だが1987年を最後に優勝からも決勝進出からも遠ざかり、不祥事の影響で2016年に廃部。PL学園の栄光に終止符が打たれた。
PL学園の夏の甲子園優勝は1978年、1983年、1985年、1987年。大会数は60回、65回、67回、69回。高校野球ファンならこれを何も見ずに答えられる人もいる。高校野球史に数々の記録と記憶を残しながら惜しまれつつ廃部になったPL学園が15位でした。

12位タイ:慶応義塾 法政二 向陽 2勝1敗 勝率.667

3校が2勝1敗で12位タイ。
慶応義塾は1916年の第2回大会で優勝。1920年は準優勝。そしてそれ以来103年ぶりの決勝進出を果たした2023年夏。夏連覇を狙った仙台育英を8-2で破り107年ぶりの甲子園優勝を果たした。
法政二は1960年夏と1961年春に史上2校目の夏春連覇を達成。史上初の3連覇を目指した1961年夏は準決勝で浪商に9回に2点差を追いつかれ逆転負けを喫した。向陽は戦前に2度優勝した古豪。
慶応義塾、法政二、向陽が12位でした。

10位タイ:関西学院 高知 2勝1敗 勝率.667

10位タイは関西学院、高知。ともに決勝で敗れた試合が延長戦になったことにより、12位の3校より上になった。 関西学院は1917年夏の第3回大会は決勝で愛知一中に延長14回の末敗れて準優勝。1920年夏に決勝で慶應義塾を17-0で破り初優勝した。高知は1964年夏に高知県勢初優勝を達成した。
関西学院、高知が10位でした。

9位:駒大苫小牧 2勝1敗1分 勝率.667

9位は00年代の高校野球最強の学校、駒大苫小牧。最強チームが北海道から出るとは20世紀には誰も予想しなかっただろう。2006年夏の決勝が延長15回引き分け再試合になったことにより、2勝1敗の他の5校を上回り単独9位となった。
2003年まで4度の出場では1勝もすることもできなかったが、2004年夏、5回目の出場で甲子園初勝利をあげると、3回戦で日大三、準々決勝で横浜と優勝候補を次々撃破し、北海道勢初の夏の甲子園決勝進出。決勝では初出場で春夏連覇を狙う済美と対戦。序盤4点をリードされながら、4回に逆転。再び逆転され3点をリードされるが、6回に同点、7回に再々逆転。9回表、2アウト1・2塁から最後の打者済美の4番鵜久森をショートフライに打ち取り、春夏通じて北海道勢初優勝を達成。深紅の大優勝旗が白河の関どころか津軽海峡を越えた。
翌2005年夏も準決勝で優勝候補の大阪桐蔭を破って決勝進出。2年生の田中将大が9回を抑え、京都外大西を5-3で破って、1948年の小倉中以来57年ぶり史上6校目の夏連覇を達成した。またその後の国体と明治神宮大会も優勝し、2006年春の選抜は圧倒的に優勝候補にあげられながら卒業生の飲酒により出場辞退した。
優勝の立役者田中将大が残った続く2006年夏も決勝進出。斎藤佑樹擁する早稲田実との決勝戦は1-1のまま延長15回でも決着つかず、1969年以来37年ぶりの決勝戦引き分け再試合となった。再試合では3点ビハインドの9回に中澤の2ランホームランで追い上げるも、最後の打者田中将大が三振に打ち取られ3-4で惜敗。惜しくも73年ぶりの3連覇はならなかったが、戦後最も3連覇に近づいた学校だった。
北海道の高校野球の歴史を変え、やまびこ打線の池田やKKコンビのPL学園も達成できなかった3連覇に最も近づいた学校、駒大苫小牧が9位でした。

8位:中京大中京 11勝4敗 勝率.733

8位は甲子園最多勝利数と最多優勝回数を誇る中京大中京。夏の甲子園の決勝戦は7勝0敗の無敗で、これは後述する1位の学校も抑えて最多記録である。
初優勝は1931年夏。翌1932年夏は決勝で同年選抜優勝の松山商と対戦。夏連覇か、春夏連覇かというまさに頂上決戦は中京商が延長11回4-3でサヨナラ勝ちし、史上3校目の夏連覇を達成。
さらに続く1933年夏。準決勝で選抜準優勝・明石中との高校野球史上最長、延長25回の激闘を1-0のサヨナラ勝ちで制し、決勝で平安中に4-3で競り勝ち、高校野球史上唯一の夏の甲子園3連覇を達成した。
1937夏と1938年春には夏春連覇を達成。1966年に史上2校目の春夏連覇を達成した。
春夏連覇を境に甲子園優勝から遠ざかるが、最も新しい優勝は2009年夏。6点リードの9回2アウトランナーなしから日本文理に1点差まで追い上げられるが、最後の打者をサードライナーで打ち取って10-9で1点差で逃げ切り、43年ぶりの甲子園優勝を果たした。
史上最多の優勝回数を誇る中京大中京が8位でした。

7位:報徳学園 3勝1敗 勝率.750

7位は報徳学園。春2回、夏1回の優勝がある。
1981年夏、金村義明を擁して夏の甲子園初優勝。3回戦では荒木大輔を擁する早稲田実に逆転サヨナラ勝ち、準決勝では工藤公康を擁する名古屋電気を破り、決勝で京都商に2-0で完封勝ちした。
2002年春は前年秋の明治神宮大会に続いて選抜優勝。これは明治神宮大会が各地区の秋季大会優勝校が出場する大会となって初の秋春連覇であった。兵庫県勢はその後準決勝の壁に苦しめられ、準決勝で通算9連敗。報徳学園もこの間準決勝で2度敗れた。
そんな準決勝の壁を突破し、21年ぶりに決勝に進出した2023年春。相手は同じく県勢の準決勝の壁を突破して山梨県勢初の決勝進出を果たした山梨学院。4回に2点を先制するも、5回に一挙7点のビッグイニングを喫して3-7で敗戦。過去3度の決勝戦は3連勝していたが、4回目で初めて決勝戦で敗れた。
甲子園の地元・兵庫の名門報徳学園が7位でした。

6位:広島商 7勝2敗 勝率.778

6位は広陵と並ぶ広島の古豪、広島商。広陵は春3回の優勝がありながら夏は優勝したことがなく、「春の広陵」と呼ばれているが、広島商は夏6回に対して春は1回と、「夏の広島商」と呼ばれている。
初優勝は大正時代の1924年夏。1929年夏と1930年夏は史上2校目の夏連覇を達成。さらに続く1931年春も優勝し、史上初の夏春連覇を達成した。しかし「2つの3連覇」がかかった1932年夏は予選で敗退し出場できなかった。
1988年夏、昭和最後の甲子園で夏6度目の優勝。夏の広島商が6位でした。

5位:横浜 5勝1敗 勝率.833

5位は1998年春夏連覇の強豪、横浜。
初出場は1963年夏で、ベスト4まで進出。1973年春は選抜初出場初優勝を達成し、初出場時から好成績をあげていた。1980年夏は愛甲猛を擁して、決勝で1年生エース荒木大輔を擁する早稲田実を6-4で破って優勝。
その後コンスタントに甲子園に出場しながら勝ち上がれない低迷期があったが、松坂大輔を擁した1998年、一気に甲子園に伝説を残す。1997年秋の明治神宮大会に続いて1998年春の甲子園を優勝。1998年夏は準々決勝で強豪PL学園との延長17回の激闘を9-7で制し、準決勝は明徳義塾に終盤まで0-6とリードされながらラスト2イニング、8回・9回で6点差をひっくり返し7-6で逆転サヨナラ勝ち。そして決勝では松坂が決勝戦史上2人目のノーヒットノーランを達成。史上5校目の春夏連覇を達成した。さらに続く国体も優勝し、4大全国大会完全優勝という高校野球史上唯一の記録を達成した。その間の神奈川大会、関東大会もすべて優勝しているため年間9冠の無敗である。
2003年春は決勝で広陵に3-15で敗れ、5回目の決勝戦で初めて敗戦。2006年春は決勝で清峰に21-0の記録的大勝で5回目の優勝。これは「春夏連覇した学校はその後優勝できない」というジンクスを破った優勝でもあった。だが2009年以降は甲子園でベスト4以上に進出できていない。
高校野球史上唯一の年間4大全国大会完全優勝を達成した横浜が5位でした。

3位タイ:作新学院 天理 3勝0敗 勝率1.000

ここからは決勝戦無敗の学校となる。3位は作新学院と天理。決勝に春夏合わせて3回進出し、そのすべて優勝の決勝戦負けなし。
作新学院は1962年に史上初の春夏連覇を達成。春は準々決勝で八幡商と延長18回引き分け再試合、準決勝で松山商と延長16回と2度の延長戦を制した。その後30年ほどの低迷期を経て2011年に復活すると、2016年夏に今井達也を擁して春夏連覇以来54年ぶりの優勝。決勝は最後は盗塁失敗という幕切れだった。
天理は1986年夏に決勝で松山商を3-2で破り奈良県勢初優勝。1989年夏は沖縄県勢初優勝を目指した沖縄水産に最後の打球をレフトライナーで打ち取って1-0で逃げ切り2度目の優勝。1997年春は春夏連覇以来の決勝進出となった古豪中京大中京を破って選抜初優勝を果たした。
2016年春には智弁学園が優勝し、奈良県勢は2016年まで決勝戦で4戦全勝していたが、2021年夏に智弁学園が智弁和歌山との決勝戦智弁対決で敗れ、奈良県勢の決勝戦連勝記録は4でストップした。

2位:箕島 4勝0敗 勝率1.000

2位は箕島。決勝に4回進出して負けなし。
1979年は史上3校目、公立校としては史上唯一の春夏連覇を達成した。1979年夏の3回戦では星稜に延長12回、延長16回に2度勝ち越されながら、2度2アウトランナーなしからの同点ホームランで追いつき、延長18回の名勝負を4-3のサヨナラ勝ちで制した。決勝では8回に2点を取って池田に4-3で逆転勝ちし、春夏連覇を達成した。
平成初期に低迷し、21世紀以降の甲子園出場は2009年春と2013年夏の春夏1回ずつのみ。公立唯一の春夏連覇校、箕島が2位でした。
そして4回の決勝進出で4戦全勝の箕島を上回る1位は・・・

1位:大阪桐蔭 9勝0敗 勝率1.000

1位は21世紀の高校野球最強校とも言われる大阪桐蔭。決勝に春4回、夏5回の計9回進出し、そのすべてで優勝。決勝戦は無敗の9連勝中である。
初優勝は1991年夏。創部3年目での初出場初優勝である。その後は昭和の高校野球の盟主PL学園の壁に苦しめられ少し甲子園から遠ざかるが、2005年夏にベスト4に進出すると、2008年夏に2度目の優勝。ここから大阪桐蔭の黄金時代が始まった。
2012年には藤浪晋太郎を擁して史上7校目の春夏連覇。2017年春には履正社との史上初の大阪同士の決勝戦を制して6回目の優勝。2018年には史上初の2度目の春夏連覇を達成した。今のところ大阪桐蔭が最も決勝戦で苦しめられたのは、2014年夏の三重との決勝戦となっている。
21世紀の高校野球最強校、大阪桐蔭が1位でした。

順位 校名 勝敗 勝率
1位 大阪桐蔭 9勝0敗 1.000
2位 箕島 4勝0敗 1.000
3位 作新学院
天理
3勝0敗 1.000
5位 横浜 5勝1敗 .833
6位 広島商 7勝2敗 .778
7位 報徳学園 3勝1敗 .750
8位 中京大中京 11勝4敗 .733
9位 駒大苫小牧 2勝1敗1分 .667
10位 関西学院
高知
2勝1敗 .667
12位 慶応義塾
法政二
向陽
2勝1敗 .667
15位 松山商 7勝4敗1分 .636
16位 PL学園 7勝4敗 .636
17位 東海大相模
東邦
5勝3敗 .625
19位 帝京
池田
3勝2敗 .600
21位 大体大浪商
高松商
4勝3敗 .571
23位 龍谷大平安
智弁和歌山
4勝4敗 .500
25位 日大三 3勝3敗 .500
26位 常総学院 2勝2敗 .500
27位 桐蔭 3勝4敗 .429
28位 県岐阜商 4勝6敗 .400
29位 早稲田実 2勝3敗1分 .400
30位 銚子商
静岡
静岡商
履正社
下関商
鳴門
済美
1勝2敗 .333
37位 広陵 3勝7敗 .300
38位 松商学園
高知商
1勝3敗 .250
40位 仙台育英 1勝4敗 .200
41位 熊本工 0勝3敗 .000
42位 八戸学院光星 0勝3敗 .000

準決勝勝率ランキング

続いては準決勝の勝率ランキング。対象は準決勝に5回以上進出したことがある38校。勝率が並んだ場合は準決勝での勝利数が多い方を上位とし、次いで準決勝で負けた試合に延長戦がある方を上位とする。

38位(ワースト1位):今治西 0勝5敗 勝率.000

今回の対象37校で最下位となってしまったのは今治西。ベスト4に5回進出するもすべて準決勝敗退で、準決勝5戦全敗。
1918年にの第4回大会に全国大会初出場を決めていたが、米騒動でまさかの中止。初出場は幻となってしまった。以後45年間甲子園出場は1回の幻のままだった。
1963年夏、事実上の甲子園初出場、記録上は45年ぶり2回目の出場。今度こそ決めた本当の甲子園初出場でいきなりベスト4に進出。春優勝の下関商に2-3でサヨナラ負けしたが、45年前の中止の無念と45年間の鬱憤を晴らす堂々のベスト4進出だった。
1973年夏、2度目の準決勝進出は静岡に0-6で完敗。1977年夏、3度目の準決勝進出は東洋大姫路に延長10回0-1のサヨナラ負け。ちなみに東洋大姫路はこれが唯一の決勝進出である。その後1995年春は銚子商に2-6、1999年春は水戸商に3-11で敗れ、準決勝5連敗。甲子園出場回数と勝利数では愛媛県内で松山商に次ぐ2位でありながら、決勝進出がない学校となってしまっている。
準決勝5戦全敗の今治西が最下位でした。

37位(ワースト2位):東海大甲府 0勝5敗 勝率.000

ワースト2位は東海大甲府。今治西と同様ベスト4に5回進出するもすべて準決勝敗退で、準決勝5戦全敗。ただし延長戦が今治西は1試合に対し、東海大甲府は2試合のため、順位は東海大甲府が上回った。
この項目に書いたように、準決勝に5回進出するも準決勝で5連敗。そのうち3回でリードしながら逆転負けと非常に惜しい結果となっている。山梨県勢としても準決勝で7連敗していたが、2023年春に山梨学院が悲願の山梨県勢初の決勝進出と初優勝を果たした。
東海大甲府も準決勝5戦全敗でワースト2位でした。

35位タイ(ワースト3位):東洋大姫路 明徳義塾 1勝5敗 勝率.167

ワースト3位の35位タイは東洋大姫路と明徳義塾。ともに準決勝に6回進出するも、決勝進出は1回のみ。
東洋大姫路は1977年夏、上記で述べた準決勝5連敗の今治西に延長10回1-0でサヨナラ勝ちし、決勝で1年生のバンビ坂本を擁する東邦に延長10回サヨナラホームランで4-1で優勝したのが唯一の決勝進出となっている。つまりこの年の準決勝は準決勝に弱い学校同士の対戦だったのだ。
2003年春は準々決勝で花咲徳栄との延長15回引き分け再試合、再試合も延長戦となった激闘を6-5でサヨナラ勝ちした翌日の準決勝。エースのアンジョイスが登板できず広陵に1-5で敗れた。2008年春は沖縄尚学に7回まで2点をリードしながら、8回裏に4点を取られて2-4の逆転負けを喫した。
明徳義塾は2002年夏、川之江に10-1で快勝し、決勝で智弁和歌山に7-2で破り悲願の初優勝を果たしたのが唯一の決勝進出となっている。1998年夏は松坂大輔が先発を回避した横浜に8回表まで6-0とリードしながら、ラスト2イニングで逆転サヨナラ負けを喫した。
東洋大姫路と明徳義塾が35位でした。

34位:浦和学院 1勝4敗 勝率.200

34位は浦和学院。準決勝に5回進出し、決勝進出は1回のみ。
1986年夏、初出場でベスト4に進出。このときは森士監督ではなかった。準決勝で松山商に6回に1イニング10点を取られるなど3-14で大敗。ちなみに夏の甲子園ではこれが唯一のベスト4進出で、次にベスト8に進出したのも夏は2018年までなかった。
1992年春、選抜も初出場でベスト4に進出し、帝京に1-3で敗れた。その後はなかなか上位進出がなく、森士監督が迷将と言われた要因になる。2013年春に21年ぶりにベスト4に進出。ともに初の決勝進出を狙った敦賀気比に5-1で勝利し、初の決勝では安樂智大を擁する済美に17-1で大勝。悲願の甲子園初優勝を果たした。
その2年後の2015年春にも準決勝に進出したが、東海大四に1-3で敗れた。森士から息子の森大監督に代わって初の甲子園となった2022年春は7年ぶりに準決勝進出。近江に延長11回にサヨナラ3ランを浴びて3-5で敗れた。
森監督が築いた浦和学院が34位でした。

32位タイ:育英、徳島商 2勝4敗 勝率.333

31位:報徳学園 4勝7敗 勝率.363

31位は報徳学園。決勝の勝率では3勝1敗で7位だった報徳学園だが、準決勝は4勝7敗と負け越している。
2010年夏は春夏連覇した興南に序盤5点を先制しながら、5-6で逆転負け。2017年春は履正社に9回に逆転負けと、準決勝を苦手としている。報徳学園が30位でした。

29位タイ:天理 熊本工 3勝5敗 勝率.375

決勝戦は3戦全勝で3位タイだった天理が早くも登場。準決勝は勝率3割台に留まった。

28位:桐生 2勝3敗 勝率.400

27位:作新学院 3勝3敗 勝率.500

27位は作新学院。決勝戦は3戦全勝で3位タイだった作新学院がここでランクイン。
決勝戦の勝率が丁度5割だったのは4校あったが、準決勝の勝率が丁度5割というのは今回の対象校では意外にも作新学院1校のみだった。

26位:桐蔭 7勝6敗1分 勝率.538

26位は古豪和歌山の桐蔭。引き分けは1915年の第1回大会準決勝、京都二中と1-1の9回降雨引き分けによるものである。

25位:早稲田実 5勝4敗 勝率.556

24位:中京大中京 15勝12敗 勝率.556

24位は甲子園最多勝利数と最多優勝回数を誇る中京大中京。
決勝進出回数は15回、準決勝進出回数は27回でこちらも全国最多である。準決勝進出回数で中京に次ぐのはPL学園、松山商、県岐阜商の17回であるので中京はダントツの最多だ。
だが決勝戦の勝率は11勝4敗の.733で8位だったのに対し、準決勝の勝率は5割台でこの順位に留まった。
甲子園最多勝利数・優勝回数・決勝進出回数・準決勝進出回数の中京大中京が24位でした。

22位タイ:高知商 小倉 4勝3敗 勝率.571

21位:松商学園 4勝3敗 勝率.571

21位は松商学園。決勝戦勝率ランキングに続いて高知商と勝率・勝敗ともに並んだが、準決勝で負けた試合で延長戦が1試合(1927年夏)あったため、わずかに上回った。

20位:龍谷大平安 8勝6敗 勝率.571

19位:県岐阜商 10勝7敗1分 .589

19位は県岐阜商。引き分けは1935年春、愛知商と1-1の5回降雨引き分けによるものである。

18位:下関商 3勝2敗 勝率.600

16位タイ:帝京 池田 5勝3敗 勝率.625

16位タイは帝京と池田。奇しくも決勝戦勝率ランキングに続き、準決勝の勝率と勝利数も全く同じだった。
池田は1974年春、「さわやかイレブン」と呼ばれた部員11人で準優勝。そこから1983年春の史上4校目の夏春連覇まで、準決勝は4連勝していた。史上初の夏春夏3連覇を目指した1983年夏、準々決勝で優勝候補の中京との大一番を制して史上初の偉業まであと2勝としていた準決勝、PL学園の1年生の桑田真澄らに二者連続ホームランを打たれ、投げては桑田に完封負け。0-7でまさかの大敗で準決勝で初の敗戦を喫し、史上初の3連覇はならなかった。
帝京とやまびこ打線の池田が16位でした。

14位タイ:PL学園 松山商 11勝6敗 勝率.647

14位タイはPL学園と松山商。決勝戦勝率ランキングに続いて、準決勝の勝率・勝敗も並んだ。さらに準決勝で負けた試合が延長戦になった回数もともに2試合で並び、今回は全くの同順位となった。

13位:箕島 4勝2敗 勝率.667

13位は箕島。決勝戦では4戦全勝の第2位だったが、準決勝では2度敗れている。

12位:横浜 6勝3敗 勝率.667

11位:東邦 8勝4敗 勝率.667

10位:高松商 7勝3敗 勝率.700

9位:広陵 10勝4敗 勝率.714

8位:日大三 6勝2敗 勝率.750

8位は日大三。
1962年春に初の決勝進出、1971年春に初優勝。そこから2010年春まで準決勝では5連勝していた。
前年秋の明治神宮大会で優勝し、優勝候補筆頭として乗り込んだ2011年春、九州国際大付に2-9で敗れて初の準決勝敗退。2011年夏は春の雪辱を果たし優勝。2018年夏の第100回大会は金足農に1-2で敗れ、2度目の準決勝敗戦となった。
日大三が8位でした。

7位:大阪桐蔭 9勝3敗 勝率.750

7位は21世紀の高校野球の王者、大阪桐蔭。決勝戦は負けなしの9戦全勝で勝率ランキング堂々の1位だったが、準決勝では3度の敗戦がある。
2005年夏、辻内崇伸、平田良介、1年生の中田翔の3人の怪物を擁して14年ぶりにベスト4に進出するも、57年ぶりの選手権連覇を達成した駒大苫小牧に延長10回の末5-6で惜敗。これが2014年夏まではベスト4以上に進出した大会で唯一優勝できなかった大会だった。
2012年は史上7校目の春夏連覇。2014年夏は準決勝で敦賀気比に初回に5点を先制されるも、15-9で逆転勝ちし優勝。史上5校目の夏春連覇を狙った2015年春、前年夏に続いて準決勝で敦賀気比と対戦。松本に2打席連続満塁ホームランを打たれるなど0-11でまさかの大敗。10年ぶり2度目の準決勝敗退となる。
2023年春は2度目の選抜連覇を目指して準決勝に進出するも、報徳学園に5点リードから5-7の逆転負け。大阪桐蔭が7位でした。

6位:大体大浪商 7勝2敗1分 勝率.778

6位は大体大浪商。
引き分けは1934年春 浪華商0-0享栄商 の延長16回日没引き分け。これは準決勝唯一の延長引き分け再試合である(当時はイニングによる規定引き分けはなかった)。再試合で享栄商を4-2で破り初の決勝進出。
1937年春に初優勝。そこから1961年夏まで準決勝では6連勝していた。これは2015年夏まで最多記録だった。1961年夏は史上初の夏春夏3連覇を狙った法政二に9回に追いついて、延長11回4-2で逆転勝ち。前年夏、同年春に敗れた法政二に3度目の挑戦でリベンジし、法政二の3連覇を阻止した。
1969年春に準決勝で三重に0-2で敗れ、7度目の準決勝進出で初の準決勝敗退となった。
現在は歴代2位となる準決勝6連勝の記録を持つ浪商が6位でした。

5位:常総学院 4勝1敗 勝率.800

5位は常総学院。1987年夏、1993年夏、1994年春、2001年春、2003年夏の5回の準決勝進出があり、準決勝で敗れたのは1993年夏は1回のみ。1993年夏、春日部共栄に3-5で敗れたのが唯一の準決勝敗退となった。
木内マジックで春夏1回ずつの優勝を誇る常総学院が5位でした。

4位:智弁和歌山 8勝2敗 勝率.800

4位は智弁和歌山。
1992年夏まで5度の出場では1勝もあげることができなかったが、1993年夏に東北に延長12回2-1でサヨナラ勝ちし初勝利をあげると、翌1994年春に春夏7回目の出場で初優勝。そこから準決勝は3連勝。
1999年夏、準決勝で3点リードの7回に岡山理大付に2点を返されると、9回4-5で逆転サヨナラ負けし、これが初の準決勝敗退となった。翌2000年夏に甲子園史上最多の1大会通算100安打で優勝しリベンジを果たした。2006年夏は準決勝で戦後初の3連覇を狙う駒大苫小牧に敗れた。準決勝敗退は今のところこの2回のみ。
2018年春、準決勝無敗だった東海大相模(詳細後述)に終盤5点差を追いつき、延長10回12-10で逆転勝ち。東海大相模を初の準決勝敗退に追いやり16年ぶりの決勝進出を果たした。
常総学院と勝率で並んだが、決勝進出回数で2倍の差をつけ、東海大相模に唯一準決勝で土をつけた智弁和歌山が4位でした。

3位:広島商 9勝2敗 勝率.818

3位は広島商。過去11回準決勝に進出し、準決勝で敗れたのは1933年春と1975年夏の2回のみ。決勝戦も7勝2敗の第6位と高勝率をマークしたが、準決勝の勝率ランキングはそれを上回る8割台で第3位にランクインした。つまりベスト4に進出した大会では11大会中7大会で優勝しており、優勝確率は63.6%である。
ただし1988年夏の昭和最後の甲子園で優勝したのを最後にベスト4以上に進出しておらず、ベスト8に進出したのも2002年春が最後である。
古豪広島商が3位でした。

2位:東海大相模 8勝1敗 勝率.889

2位は東海大相模。1970年夏の甲子園初優勝から2015年夏まで準決勝では負けなしの7連勝。これは現在も破られていない最多記録である。
2011年春は当時継続中の準決勝最多連勝記録を持っていた日大三と東海大相模は揃ってベスト4に進出。日大三は6回目の準決勝で初黒星を喫するが、東海大相模は見事優勝し準決勝の連勝を6に伸ばした。そして高校野球100周年の年、2015年夏の準決勝で関東一を10-3で破り、ついに浪商の準決勝最多連勝記録を抜いて、甲子園史上最多の準決勝7連勝を達成。決勝も仙台育英を10-6で破って45年ぶりに夏の甲子園優勝を果たした。
2018年春の準決勝、同じく準決勝に強い智弁和歌山に一時は5点をリードするも、7・8回に5点差を追いつかれ、延長11回に2点を勝ち越されて10-12で逆転負け。8回目の準決勝で初の敗戦を喫し、準決勝の連勝記録は7で止まった。
新型コロナウイルスによる中止を経て2年ぶりに開催された2021年春は再び準決勝を勝利し、決勝で明豊に3-2でサヨナラ勝ちし優勝。
準決勝初進出から史上最多の7連勝を記録した東海大相模が2位でした。1位の発表の前に番外編として、準決勝進出回数が4回以下の学校の一部を紹介する。

番外編ワースト1位:倉敷工 鳥取西 0勝4敗 勝率.000

準決勝に4回進出し、決勝に進出したことがないのは2校。倉敷工と鳥取西。
倉敷工は1949年夏、初出場でいきなりベスト4進出。準々決勝で選手権2連覇中だった小倉に延長10回7-6でサヨナラ勝ちし、小倉の史上2校目の3連覇を阻止した。しかし準決勝で岐阜に2-5で敗れて力尽きた。
2回目の出場となった1957春もベスト4進出。準決勝で高知商に1-3で敗れた。その後1968年には春夏連続でベスト4に進出するが、春は尾道商に1-3、夏は静岡商に0-2で敗れ、初の決勝進出は果たせなかった。
鳥取西がベスト4に4回進出したことがあると聞くと意外かもしれない。鳥取西のベスト4進出はすべて戦前の学制改革前である。鳥取中として1916年夏と1920年夏、鳥取一中として1924年夏と1929年夏にベスト4進出。
1916年の第2回大会は初戦に敗れるも、この年だけあったくじ引きによる敗者復活制度により、敗者復活で準決勝に進出。この大会鳥取中はわずか1勝だった。1大会1勝でベスト4は珍記録だろう。1920年の第6回大会もまだ出場校が少なかったことから1大会2勝でベスト4。
そのため同じベスト4進出4回でも倉敷工と同列に並ぶとは言えないだろう。もし鳥取中が1度でも決勝に進出していたら、あるいは優勝していたらどうなってたのだろうか。

番外編2位:駒大苫小牧 慶応義塾 静岡商 関西学院 3勝0敗 勝率1.000

準決勝に3回進出し、負けなしなのは駒大苫小牧、慶応義塾、静岡商、関西学院の4校。
駒大苫小牧は2004年から2006年まで3年連続決勝進出。つまり3年連続準決勝を突破していた。2004年と2005年は史上5校目の選手権連覇、73年ぶり・戦後初の選手権3連覇の大偉業まであと一歩まで迫ったことは有名だ。ちなみに駒大苫小牧は準々決勝も3戦全勝。夏は3回戦も全勝。夏の甲子園では初戦敗退と決勝進出しか経験したことがないという偏った戦績を持つ学校だ。
慶応義塾は1916年夏、1920年夏、2023年夏の3度ベスト4に進出し、すべて決勝進出。1916年夏の第2回大会で優勝、1920年夏は準優勝、2023年夏は107年ぶりの甲子園優勝を果たした。
静岡商は1952年春、1954年夏、1968年夏の3度ベスト4に進出し、1952年春は優勝、1954年夏と1968年夏は準優勝している。
関西学院は1917年夏、1920年夏、1928年春の3度ベスト4に進出し、1920年夏と1928年春は優勝、1917年夏はは準優勝している。

それでは準決勝7連勝、通算8勝1敗と脅威の準決勝の強さを誇る東海大相模を抑えての1位は・・・

1位:仙台育英 5勝0敗 勝率1.000

1位は仙台育英。今回の対象校唯一の準決勝無敗の学校である。
これまで準決勝には1989年夏、2001年春、2015年夏、2022年夏、2023年夏の5回進出し、負けなしの5戦全勝。現在4回以上準決勝に進出したことがある学校で唯一の準決勝無敗だ。決勝戦は1勝4敗で勝率ワースト3位となってしまったが、準決勝の勝率ランキングは唯一の全勝で堂々の1位となった。
初のベスト4進出は1989年夏。上宮とともに優勝候補のトップ2に挙げられていた仙台育英は、1回戦で鹿児島商工、2回戦で選抜ベスト4の京都西、3回戦で弘前工を破り、準々決勝で優勝候補筆頭の上宮に10-2で快勝。準決勝で尽誠学園に延長戦の末3-2で競り勝ち、初の決勝進出を果たした。しかし初戦から強豪ばかりの厳しい戦いを勝ち抜いてきた仙台育英は、決勝で帝京に延長戦の末0-2で惜敗し、東北勢初優勝はならなかった。
その後2001年春、2015年夏も準決勝に勝利して決勝進出するも準優勝。そしてついに東北の悲願を達成するときがきた。2022年夏、聖光学院との東北勢同士の準決勝を18-4で大勝し4回目の決勝進出。岩崎の満塁ホームランなどで下関国際を8-1で破り、ついに悲願の東北勢初優勝を果たした。
翌2023年夏も2年連続で決勝進出。決勝で慶応に敗れて連覇は逃したが、これで準決勝は5戦全勝となった。東北の悲願、深紅の大優勝旗の白河の関越えを果たした仙台育英が1位でした。

順位 校名 勝敗 勝率
1位 仙台育英 5勝0敗 1.000
番外 駒大苫小牧
慶応義塾
静岡商
関西学院
3勝0敗 1.000
2位 東海大相模 8勝1敗 .889
3位 広島商 9勝2敗 .818
4位 智弁和歌山 8勝2敗 .800
5位 常総学院 4勝1敗 .800
6位 大体大浪商 7勝2敗1分 .778
7位 大阪桐蔭 9勝3敗 .750
8位 日大三 6勝2敗 .750
9位 広陵 10勝4敗 .714
10位 高松商 7勝3敗 .700
11位 東邦 8勝4敗 .667
12位 横浜 6勝3敗 .667
13位 箕島 4勝2敗 .667
14位 PL学園
松山商
11勝6敗 .647
16位 帝京
池田
5勝3敗 .625
18位 下関商 3勝2敗 .600
19位 県岐阜商 10勝7敗1分 .589
20位 龍谷大平安 8勝6敗 .571
21位 松商学園 4勝3敗 .571
22位 高知商
小倉
4勝3敗 .571
24位 中京大中京 15勝12敗 .556
25位 早稲田実 5勝4敗 .556
26位 桐蔭 7勝6敗1分 .538
27位 作新学院 3勝3敗 .500
28位 桐生 2勝3敗 .400
29位 天理
熊本工
3勝5敗 .375
31位 報徳学園 4勝7敗 .363
32位 育英
徳島商
2勝4敗 .333
34位 浦和学院 1勝4敗 .200
35位 東洋大姫路
明徳義塾
1勝5敗 .167
37位 東海大甲府 0勝5敗 .000
38位 今治西 0勝5敗 .000
番外 倉敷工
鳥取西
0勝4敗 .000

TOP
inserted by FC2 system